スタートを前に改めてこのイベントの概要を紹介しておきます。
Cycle to MIPIM。この無謀とも言えるイベントは毎年この時期、フランスのカンヌで開催されるヨーロッパ不動産業界の一大イベントMIPIMに、ロンドンから自転車で行こうと自転車好きの連中が企てて始まったもので、今年で第11回目。今回は1グループ35名×3グループで105名が参加します。全行程、6日間で約1450kmありますが、60km位ずつに分けられた区間を3グループが交代交代で走り、走らない区間は並走するバスで移動します。各グループ1日最低2区間は走るので各人1日最低120km程度は走ることになり、また、個人の力量、希望により、割り当てられた区間以外の区間を余計に走ることも可能で、昨年、全区間通して完走した強者が15人程いたそうです。1日最長326km走る日もあり、自分にはとても無理ですが。
コースはロンドンから南東方面ケント地方を抜け、先ずはフォークストンまで。そこからドーバー海峡をバスに乗ってユーロトンネルを抜けフランスのカレーに渡ります。カレーからは南仏エクサンプロバンスまでほぼ真南にフランスを縦断、途中、ブルゴーニュ地方の中心地ディジョンなどを経由します。最後、エクサンプロバンスからカンヌまでは地中海に面した地域を東に向かいます。アルプスに近い地域も走るのでアップダウンも結構あるようです。以下が大まかなルートです。
参加する連中は、主に不動産デベロッパー・エージェント・サーベイヤー、設計建築事務所、法律事務所などに勤め、「何と馬鹿げた試み!」と周りに驚かれ、いじられることに、内心、喜びを感じながら自分の限界に挑戦します。参加資格は時速平均25km以上で100km以上を走り続けられること。事前のテストがある訳ではありませんが、グループの足を引っ張る訳にはいきませんので、各人、参加する以上は十分に練習を積む必要があります。そのための参加者のための練習会もロンドン郊外でほぼ毎週末行われ、そこで脚力を鍛えると同時に服装や補給等、走り切るに必要な情報を収集して備えます。今回、私は唯一、英国外からの参加でそうした練習会には出られず、日本で練習をして備えました。
一方、このイベントは単なるスポーツ競技ではなく、チャリティーイベントでもあります。今回、参加者が集める募金並びにスポンサー企業からの寄付金合わせて£325,000(約5200万円)が目標とされ、参加者には£3000(約48万円)のレイズが求められました。集められたお金は、恵まれない子供達を支援するイギリスのCORAMと言う団体に寄付されます。こうしたスポーツイベントに絡めた寄付活動は英国では一般的で、WEBでクレジットカードを使い簡単に手続きが出来るシステムがあったり、寄付金が税控除出来るようになっています。今回、こうしたことに慣れない日本での寄付金集めで最初はどうなることかと思いましたが、お陰様で皆さまから温かいご支援を頂き目標をクリアすることが出来ました。心より深謝です。
The key aim is to have fun and enjoy the camaraderie of group riding. It is not a race: groups are compromised of mixed abilities and stronger riders will be expected to help their colleagues when the going gets tough. (イベント ガイドブックより)
6日間、一緒に走る連中と助け合いながらヨーロッパの美しい田舎を走り抜けるサイクリングを楽しみ、親交を深められればこの上ない幸せと思います。